Dance Archive

日本の洋舞100年・第4弾 ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2023開催決定!

ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2023

日時
2023年6月24日(土)開演 14:00
2023年6月25日(日)開演 14:00
※ロビー開場は開演45分前、客席開場は開演30分前です。開演後のご入場は制限させていただきます。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、託児サービスは当面休止させていただきます。
会場
新国立劇場 中劇場

ダンスの「今」、そして「未来」を展望する

日本独自の創作舞踊のパイオニアたちの作品を復元上演する企画の第4弾です。 江口隆哉、石井漠、石井小浪、石井みどりらの下でダンスを始め、ともにその独創性と国内外での幅広い活動によって、日本独自のモダンダンスの第一人者として活躍した3人の女性舞踊家、芙二三枝子、折田克子、そしてアキコ・カンダ。その代表作をアーカイヴ上演し、日本の洋舞の原点を確認すると共に、「今」そして「未来」を展望し、日本人の魂に光をあてます。

新国立劇場記者発表資料

『土面』/『夏畑』/『マーサへ』より 三章「運命の道」/『バルバラを踊る』より

DANCE ARCHIVES in Japan 2023

Cray Face / Endless Summer / To Martha / Dancing to Barbara

2023年6月24日(土)14:00
2023年6月25日(日)14:00

予定上演時間:未定
会場:新国立劇場 中劇場 

チケット:6,600円(S席) 4,400円(A席)

スタッフ・キャスト
【照明】杉浦弘行
【音響】山本 直
【制作協力】(一社)現代舞踊協会 ダンス・アーカイヴ企画運営委員会

『土面』(1972年初演)
【振付】芙二三枝子
【音楽】三木 稔、松村禎三 ほか
【出演】高瀬譜希子、中川 賢 ほか

『夏畑』(1983年初演)
【振付】折田克子
【音楽】マラン・ゴゾフ
【出演】平山素子、島地保武

『マーサへ』 より 三章「運命の道」(2002年初演)
【振付】アキコ・カンダ
【音楽】フレデリック・ショパン
【出演】折原美樹 ほか

『バルバラを踊る』 より(1980年初演)
【振付】アキコ・カンダ
【音楽】バルバラ
【出演】中村恩恵

ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2018 舞踊評論 – 原田広美

日時
2018 年 11 月 24 日(土)開演14:00
会場
新国立劇場中劇場

■モダン・ダンスと現代舞踊の関係性を考える~「ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2018 戦後日本の3人の異才たち-藤井 公・若松美黄・庄司 裕-」を媒介に
原田広美(artissue-WEB12 )

日本でも「コンテンポラリー・ダンス」の時代が始まって以降(おおよそ1990年前後から)、特に若い世代を中心に、「モダン・ダンス=現代舞踊」という捉え方が一般的になったと感じられる時期があった。その後、あらためて(一社)現代舞踊協会を中心とする「現代舞踊」の側から、コンテンポラリー・ダンス、舞踏、バレエなどをその範疇(はんちゅう)に入れて再考しようとする動きも、活発化したように思う。そのような「現代舞踊」への周囲からの視線や理解の仕方を含め、その内実を考察するためにも、国内外の舞踊の歴史を踏まえつつ、今回の催しを見てゆきたい。

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ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2018 舞踊評論 – 渡辺真弓

日時
2018 年 11 月 24 日(土)開演14:00
会場
新国立劇場中劇場

■「ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2018」次世代へつなぐ創作の魂
渡辺真弓(ダンスマガジン  2019年3月号)

日本の創作舞踊のパイオニたちの作品を復元上演し、日本の洋舞の原点を振り返りつつ、未来を展望しようという試み、「ダンス・アーカイヴ」の第3弾が開催された。反響を呼んだ2014年、15年に続く今回は、戦中、戦後を駆け抜けた3人の個性派、藤井公、若松美黄、庄司裕にスポットを当てたものである。

上演に先立って、映像で各自の業績が紹介されたのはこまやかな配慮。作風は三者三様ながら、いずれも同時代の世の中を見つめる鋭い視線が反映されているのが新鮮である。

第1部の『砂漠のミイラ』(93年)は、構成・演出・振付藤井公・利子。秋谷豊の同名の詩集に触発されたもので、「蜃気楼」から「吟遊詩人」「魂の共鳴」などを経て「砂漠のミイラ」へと刻一刻と移り変わる砂漠の風景を描写した50分の力作である。何と言っても20名を超す群舞の迫力が圧倒的。山本直の音楽構成が変化に富んでいて、砂漠に眠るミイラの再生を想起させるような音響に耳を奪われる。隊列を組み、群を成し、身を震わせ、うねらせ……と動きは素朴ながら、たくましくダイナミックな群舞へと昇華させた点に、振付家の手腕が光る。

第2部最初の若松美黄作品『獄舎の演芸』(77年)は、囚人の目から見た世の中を描いた異色のソロ。音楽はクルト・ワイルほか。囚人の演芸とは意表を突くタイトルだが、高比良洋の10分間のソロには、孤独感や悲哀が凝縮され、時代の空気が漂う。伸縮性の衣裳にすっぽりくるまり身動きできない様子はどことなく滑稽でユーモラス。ひょうひょうと生きる姿に振付家の面影がよぎる。作品責任者は小柳出加代子、窪内絹子。

3本目の庄司裕振付『八月の庭』(94年)は、直接反戦のスローガンを掲げてはいないものの、じわじわと不安をあおり、クライマックスで主張を伝える手法があざやかである。作品責任者中井惠子。長いドレスを着て踊る女性たち、その背後に忽然と現れるひまわりの花を散りばめた傘。女性群舞の清楚な美しさを引き立たせたかと思うと、突如みなが倒れ、原爆の投下を暗示。美が破壊された空しさを悟らせる。安良岡章夫作曲の楽曲の弦の繊細な響きが効果的で、宝満直也、船木こころ、米沢麻佑子らが集中度の高い踊りで再演に貢献した。

先人たちの創作の魂を受け止め次につなげていく有意義なこの企画。企画運営委員会(代表正田千鶴)の労をねぎらうとともに、次回に向けて発展していくことを願う。

ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2018 舞踊評論 – 関口紘一

日時
2018 年 11 月 24 日(土)開演14:00
会場
新国立劇場中劇場

■時代と共に生き、ダンスを創造した藤井公、若松美黄、庄司裕の作品が踊られた、ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2018
関口紘一(web magazine Dance Cube  2018年12月)

このシリーズの第3回目、ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2018では、藤井公『砂漠のミイラ』(1993年)、若松美黄『獄舎の演芸』(1977年)、庄司裕『八月の庭』(1994年)の3作品が上演された。冒頭、今回上演される三人の振付家の自作を語る肉声と代表的作品などの映像が、スクリーンに映し出された。

一曲目は藤井公・利子振付『砂漠のミイラ』である。原案はネオ・ロマンティシズムの詩を提唱し、寺山修司、新川和江などとともに活躍、登山家としてヒマラヤやシルク・ロードなどに行った秋谷豊の詩集『砂漠のミイラ』。音楽は山本直、Jon Hassell、Urban sax、Cinqui so、ツトム・ヤマシタ、Pigbag。

蜃気楼、トルファン、吟遊詩人、流砂、魂の共鳴、飛天、砂漠のミイラとそれぞれのシーン名が記されている。砂漠に2000年眠っていた、男女一組のミイラを見る。砂漠という文明のないむき出しの生と死が現れる地から命の根源を思う。そして命の営みを表す身体のリズムが次々と踊られていく。蜃気楼も流砂も魂も自然が繰り広げるひとつの姿である。動きは音楽と一体化しており、両者の間にほとんど葛藤は感じられない。それがこの作品の特徴であると同時に物足りなさでもあった。

二曲目は若松美黄のソロ作品『獄舎の演芸』。音楽はクルト・ワイルの『第2シンフォニー』とJ. ゲイ、J. C. ペープシュの『乞食のオペラ』から。周知のようにクルト・ワイルはベルトルト・ブレヒトと共同で『乞食オペラ』をリメイクし、傑作『三文オペラ』を創っている。 『獄舎の演芸』は高比良洋が踊った。青い上衣と白地に黒い縦縞の長いパンツ。腰に黄色の目立つベルト状の布を巻いている。腰紐を掛けられた囚人を連想させる衣装だ。独特の変則的な特徴のある動きを作って、獄舎という隔離された空間に閉じ込められた人間を表している。通常は劇場で行われる演芸を獄舎という全く異なった世界に移して見せるという、なかなか巧みにブレヒト的異化効果を使った舞踊を試みていた。私は良く知らないのだが、かつての若松の舞台の動きを彷彿させるダンスだったという人もいた。

三曲目は庄司裕の『八月の庭』。音楽は安良岡章夫の『協奏的変容~ヴァイオリン、チェロとオーケストラのための』。庄司は、原民喜の『夏の花』により『鎮魂歌・夏の花』を振付ている。『八月の庭』も原爆を想わせる衝撃的なエンディングだった。夏の盛りに咲き誇るひまわりの生命力と美しく流麗に展開する女性群舞により、鮮烈なラストシーンが一段と際立つ。モダンダンスによるいくつかの踊りを配置して、全体のフォーメーションをフレームの中に組み立てている。その構成を変化させながら、ひとつの極限へと至るのである。 当然のことだが、3作品ともそれぞれにインスピレーションを受けた文化的・時代的背景があり、興味深かった。そして時代への関わりは、今日のアーティストたちよりも密接で強かったと感じられた。時代とともに生き、そこに自身の魂が発するものを刻印しているのである。 (2018年11月24日 新国立劇場 中劇場)

ごあいさつ

日時
2018 年 11 月 24 日(土)開演14:00  11月25日(日)開演14:00
会場
新国立劇場中劇場

【ごあいさつ: 2018年11月公演パンフレットより】

本公演は、日本独自の創作舞踊のパイオニアたちの作品を復元上演し、日本の洋舞の原点を確認すると共に「今」そして「未来」を展望する企画の第3弾になります。これまでの第1弾(2014年6月)、第2弾(2015年3月)は、いずれも大きな反響を呼び、日本の洋舞100年の蓄積を一堂に蘇らせた歴史的公演と好評を博しました。

今回は、戦後の日本においてモダンダンスのスタイルを創りあげて行った振付家の中から、3人の異才、藤井 公・若松美黄・庄司裕を取り上げました。名実ともに第3弾にふさわしい3者3様の個性が溢れる作品の魂を受けとめて、次世代を担う舞踊家たちが踊ります。   日本の洋舞100年の時を超えて、21世紀の舞踊芸術がますます発展することを願いますとともに、当公演開催にあたり、お力添えを頂きましたすべての方々に心より感謝申し上げます。

ダンス・アーカイヴ in JAPAN 企画運営委員会 代表正田千鶴(総合演出)

 

上演プログラム ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2018

日時
2018 年 11 月 24 日(土)開演14:00  11月25日(日)開演14:00
会場
新国立劇場中劇場

第一部
オープニング Opening
藤井公「砂漠のミイラ」Mummies in the desert

第二部
若松美黄「獄舎の演芸」Dancing in the Prison Cell
庄司裕「八月の庭」Garden in August

第1部

オープニング Opening

藤井公「砂漠のミイラ」Mummies in the desert(1993初演)

タクラマカン砂漠は常時、生と死が向き合い、肉体は砂に、魂は天に帰って行った。

二千年眠り続け発掘された男女一対のミイラの命を源として各景が描かれ、作品が生まれた。主役は砂嵐・ラクダ・人間。

藤井作品は時代への深い反発の時を経て、「北斎、今」に代表される軽妙洒脱な世界へ。

そしてミニマルに身体のリズムを刻むコンテンポラリーな作品「砂漠のミイラ」へと繋がっていった。

蜃気楼(シンキロウ)→吐魯蕃(トルファン)→吟遊詩人→流沙→魂の共鳴→飛天→砂漠のミイラ

 

原案: 秋谷豊詩集「砂漠のミイラ」より

構成・演出・振付:藤井公・利子

作品責任者:藤井利子

作品補佐:上原尚美

音楽構成:山本直

使用音楽:山本直オリジナル/Jon Hassell「Courage」/Urban sax「perchman aux oreilles mouvantes」/Cinqui so「I Lodi Di Santeram」/ツトム・ヤマシタ「起即観音」/Pigbag「Papa’s Got A Brand New Pigbag」

美術:三宅景子 装置製作:森壮太 衣裳:武田晴子

 

出演:清水フミヒト 吉垣恵美 江積志織 松元日奈子 髙橋純一 海保文江 桜井陽

秋本里奈子 井上依里子 江尻美由紀 江藤裕里亜 上村有紀 北堀希 佐々木治子 寺﨑ゆいこ 田路紅瑠美 戸口未貴 中嶋野々子 林敏秀 半澤昇 藤井彩加 藤井友美 梁田妃美子 横田安規

 

Based on the Poem “Mummies in the desert”by AKIYA Yutaka

Direction & Choreography by FUJII Koh, FUJII Toshiko

Staged by FUJII Toshiko

Staging Assistant:UEHARA Naomi

Music Advisor, Additional Music by YAMAMOTO Nao

Set Designer:MIYAKE Keiko  Set Maker:MORI Sota  Costumes:TAKEDA Haruko

 

Dancers:SHIMIZU Fumihito  YOSHIGAKI Emi  EZUMI Shiori  MATSUMOTO Hinako  TAKAHASHI Junichi  KAIHO Fumie  SAKURAI Yo

AKIMOTO Rinako  INOUE Yoriko  EJIRI Miyuki  ETO Yuria  KAMIMURA Yuuki  KITAHORI Nozomi  SASAKI Haruko  TERASAKI Yuiko  TOHJI Kurumi  TOGUCHI Miki  NAKAJIMA Nonoko  HAYASHI Toshihide  HANZAWA Noboru  FUJII Ayaka  FUJII Tomomi  YANATA Himiko  YOKOTA Yasunori

 

砂漠のミイラ 撮影:池上直哉

砂漠のミイラ 撮影:池上直哉

砂漠のミイラ 撮影:池上直哉

第2部

若松美黄「獄舎の演芸」Dancing in the Prison Cell(1977初演)

 

「世の中というものが本当に立派なものならば、世の中に根差した私の悲哀も立派なしっかりしたものであろうと思います。世の中がメチャクチャだと思う折に、悲哀も又、メチャクチャに分解するものだと思いたいのです。」(若松美黄、1977)

若松が感じていた“世の中に根差した私の悲哀”を獄舎に閉じ込められた囚人の姿を借りて描き出した作品「獄舎の演芸」。“演芸”と題した若松の遊び心とバレエのステップやパントマイムを織り込んだ動きの切り替えや間合いが絶妙だ。若松の真骨頂が発揮されたソロ代表作である。

 

構成・振付:若松美黄

作品責任者:小柳出加代子 窪内絹子

作品補佐:片岡通人

協力:三町浩/若松美黄・津田郁子自由ダンススタジオ

音楽:クルト・ワイル「第2シンフォニー」/J.ゲイ、J.C.ペープシュ「乞食オペラ」

衣裳製作:森壮太

 

出演:高比良洋

 

Direction & Choreography by WAKAMATSU Miki

Staged by OYAIDE Kayoko and KUBOUCHI Kinuko

Staging Assistant:KATAOKA Michito

Cooperation:MIMACHI Hiroshi/Wakamatsu Miki & Tsuda Ikuko Free Dance Studio

Music:”Symphony No.2”by Kurt WEILL  “The Begger’s Opera”by John GAY and Johann Christoph PEPUSCH

Costume Maker:MORI Sota

 

Dancer:TAKAHIRA Yo

 

獄舎の演芸 撮影:池上直哉

獄舎の演芸 撮影:池上直哉

獄舎の演芸 撮影:池上直哉

 

庄司裕「八月の庭」Garden in August(1994初演)

 

庄司裕作品には、反戦3部作と言われる大作「聖家族」(1967)、原民喜の『夏の花』に触発されて原爆の惨状や悲劇を描いた「鎮魂歌・夏の花」(1985)、そして「リゴドン~死の舞踏」(1997)がある。庄司は「鎮魂歌・夏の花」の数年後、同じく原爆を扱った「八月の庭」を発表した。「八月の庭」は声高に反戦を主張してはいないが、戦中派庄司裕の“戦争を風化させてはいけない”という思いと平和への願いが感じられる。

「八月の庭」でも見られる、ダンサーの個性と美しさを存分に引き出す叙情溢れる庄司流の表現スタイルは、全国に伝播して日本のモダンダンスの大きな潮流をつくった。

 

構成・振付:庄司裕

作品責任者:中井惠子

作品補佐:近藤明美

協力:小澤里香子 荒公乃

音楽:安良岡章夫「協奏的変容~ヴァイオンリン、チェロとオーケストラのための」

美術:白戸規之

衣裳製作:並河万里子

 

出演:宝満直也 船木こころ 米沢麻佑子 岡野友美子 玉田光子

石井武 江口香織 大槻沙絵 大野木純子 片山葉子 小室眞由子 近藤みどり 佐藤樹理愛 杉原萌 須﨑汐理 鷹栖歩莉 田中麻友美 冨田奈保子 名越晴奈 藤村港平 南帆乃佳 山西香澄

 

本作品は、公益財団法人日本交響楽振興財団主催「現代日本のオーケストラ音楽 第31回演奏会」の招待作品として演奏された録音音源を使用しています。

演奏 ヴァイオリン:加藤知子  チェロ:上村昇  管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  指揮:小松一彦

 

Direction & Choreography by SHOJU Hiroshi

Staged by NAKAI Keiko

Staging Assistant:KONDO Akemi

Cooperattion:OZAWA Rikako  ARA Tomono

Music: “Metamorphose concertante pour violon, violoncelle et orchestre”by YASURAOKA Akio

KATO Tomoko(vl.), KAMIMURA Noboru(vc.) and Tokyo Philharimonic Orchestra conducted by KOMATSU Kazuhiko

Set Designer:SHIRATO Noriyuki  Costume Maker:NAMIKAWA Mariko

 

Dancers:HOMAN Naoya  FUNAKI Kokoro  YONEZAWA Mayuko  OKANO Yumiko  TAMADA Mitsuko

ISHII Takeru  EGUCHI Kaori  OTSUKI Sae  ONOGI Junko  KATAYAMA Yoko  KOMURO Mayuko  KONDO Midori  SATO Juria  SUGIHARA Moe  SUSAKI Shiori  TAKANOSU Ayuri  TANAKA Mayumi  TOMITA Naoko  NAGOSHI Haruna  FUJIMURA Kohei  MINAMI Honoka  YAMANISHI Kasumi

 

八月の庭 撮影:池上直哉

八月の庭 撮影:池上直哉

八月の庭 撮影:池上直哉

八月の庭 撮影:池上直哉

 

スタッフ STAFF

照明:斎藤 香  Lighting Designer:SAITO Kaori

照明助手:榊枝拓也  Assistant to Lighting designer:SAKAKIEDA Takuya

音響:山本 直  Sound:YAMAMOTO Nao

オープニング映像:naoeikka   Projection:naoeikka

舞台監督:柴崎 大  Stage Manager:Shibasaki Dai

舞台監督助手:小林裕二  田村要  小黒亜衣子  Assistant Stage Managers: KOBAYASHI Yuji, TAMURA Kaname, OGURO Aiko

舞台・照明・音響操作 Stage, Lighting and Sound Crew:

新国立劇場技術部   New National Theatre Technical Department

シアターコミュニケーションシステムズ Theater Communication Systems

アート・ステージライティング・グループ ART STAGELIGHTING GROUP

フリックプロ Flic Pro

臼井悠史(舞台)/安達久美子(照明)/信澤祐介(音響)/鈴木大介(映像)/小原淑克(大道具)

USUI Yuji(Stage)/ADACHI Kumiko(Lighting)/NOBUSAWA Yusuke(Sound)/SUZUKI Daisuke(Projection)/KOHARA Yoshikatsu(Master Carpenter)

 

芸術監督:大原永子  Artistic Director:OHARA Noriko

制作:新国立劇場  Produced by New National Theatre, Tokyo

制作協力:(一社)現代舞踊協会

Collaborated with CONTEMPORARY DANCE ASSOCIATION of JAPAN(CDAJ)

ダンス・アーカイヴ in JAPAN(DAiJ)企画運営委員会:

正田千鶴 SHODA Chizu

片岡康子 KATAOKA Yasuko  加藤みや子 KATO Miyako

波場千恵子 HABA Chieko  池田恵巳 IKEDA Megumi

第一部

オープニング Opening

藤井公「砂漠のミイラ」Mummies in the desert

第二部

若松美黄「獄舎の演芸」Dancing in the Prison Cell

庄司裕「八月の庭」Garden in August

1

オープニング Opening

藤井公「砂漠のミイラ」Mummies in the desert1993初演)

タクラマカン砂漠は常時、生と死が向き合い、肉体は砂に、魂は天に帰って行った。

二千年眠り続け発掘された男女一対のミイラの命を源として各景が描かれ、作品が生まれた。主役は砂嵐・ラクダ・人間。

藤井作品は時代への深い反発の時を経て、「北斎、今」に代表される軽妙洒脱な世界へ。

そしてミニマルに身体のリズムを刻むコンテンポラリーな作品「砂漠のミイラ」へと繋がっていった。

蜃気楼(シンキロウ)吐魯蕃(トルファン)→吟遊詩人→流沙→魂の共鳴→飛天→砂漠のミイラ

原案: 秋谷豊詩集「砂漠のミイラ」より

構成・演出・振付:藤井公・利子

作品責任者:藤井利子

作品補佐:上原尚美

音楽構成:山本直

使用音楽:山本直オリジナル/Jon HassellCourage/Urban saxperchman aux oreilles mouvantes/Cinqui soI Lodi Di Santeram/ツトム・ヤマシタ「起即観音」/PigbagPapa’s Got A Brand New Pigbag

美術:三宅景子 装置製作:森壮太 衣裳:武田晴子

出演:清水フミヒト 吉垣恵美 江積志織 松元日奈子 髙橋純一 海保文江 桜井陽

秋本里奈子 井上依里子 江尻美由紀 江藤裕里亜 上村有紀 北堀希 佐々木治子 寺﨑ゆいこ 田路紅瑠美 戸口未貴 中嶋野々子 林敏秀 半澤昇 藤井彩加 藤井友美 梁田妃美子 横田安規

Based on the Poem “Mummies in the desert”by AKIYA Yutaka

Direction & Choreography by FUJII Koh, FUJII Toshiko

Staged by FUJII Toshiko

Staging Assistant:UEHARA Naomi

Music Advisor, Additional Music by YAMAMOTO Nao

Set Designer:MIYAKE Keiko Set Maker:MORI Sota Costumes:TAKEDA Haruko

Dancers:SHIMIZU Fumihito YOSHIGAKI Emi EZUMI Shiori MATSUMOTO Hinako TAKAHASHI Junichi KAIHO Fumie SAKURAI Yo

AKIMOTO Rinako INOUE Yoriko EJIRI Miyuki ETO Yuria KAMIMURA Yuuki KITAHORI Nozomi SASAKI Haruko TERASAKI Yuiko TOHJI Kurumi TOGUCHI Miki NAKAJIMA Nonoko HAYASHI Toshihide HANZAWA Noboru FUJII Ayaka FUJII Tomomi YANATA Himiko YOKOTA Yasunori

*作品舞台写真 別添1-1,2,3 いずれも 撮影:池上直哉

2

若松美黄「獄舎の演芸」Dancing in the Prison Cell1977初演)

「世の中というものが本当に立派なものならば、世の中に根差した私の悲哀も立派なしっかりしたものであろうと思います。世の中がメチャクチャだと思う折に、悲哀も又、メチャクチャに分解するものだと思いたいのです。」(若松美黄、1977

若松が感じていた“世の中に根差した私の悲哀”を獄舎に閉じ込められた囚人の姿を借りて描き出した作品「獄舎の演芸」。“演芸”と題した若松の遊び心とバレエのステップやパントマイムを織り込んだ動きの切り替えや間合いが絶妙だ。若松の真骨頂が発揮されたソロ代表作である。

構成・振付:若松美黄

作品責任者:小柳出加代子 窪内絹子

作品補佐:片岡通人

協力:三町浩/若松美黄・津田郁子自由ダンススタジオ

音楽:クルト・ワイル「第2シンフォニー」/J.ゲイ、J.C.ペープシュ「乞食オペラ」

衣裳製作:森壮太

出演:高比良洋

Direction & Choreography by WAKAMATSU Miki

Staged by OYAIDE Kayoko and KUBOUCHI Kinuko

Staging Assistant:KATAOKA Michito

Cooperation:MIMACHI Hiroshi/Wakamatsu Miki & Tsuda Ikuko Free Dance Studio

Music:”Symphony No.2”by Kurt WEILL “The Begger’s Opera”by John GAY and Johann Christoph PEPUSCH

Costume Maker:MORI Sota

Dancer:TAKAHIRA Yo

*作品舞台写真 別添2-1,2,3 いずれも 撮影:池上直哉

庄司裕「八月の庭」Garden in August1994初演)

庄司裕作品には、反戦3部作と言われる大作「聖家族」(1967)、原民喜の『夏の花』に触発されて原爆の惨状や悲劇を描いた「鎮魂歌・夏の花」(1985)、そして「リゴドン~死の舞踏」(1997)がある。庄司は「鎮魂歌・夏の花」の数年後、同じく原爆を扱った「八月の庭」を発表した。「八月の庭」は声高に反戦を主張してはいないが、戦中派庄司裕の“戦争を風化させてはいけない”という思いと平和への願いが感じられる。

「八月の庭」でも見られる、ダンサーの個性と美しさを存分に引き出す叙情溢れる庄司流の表現スタイルは、全国に伝播して日本のモダンダンスの大きな潮流をつくった。

構成・振付:庄司裕

作品責任者:中井惠子

作品補佐:近藤明美

協力:小澤里香子 荒公乃

音楽:安良岡章夫「協奏的変容~ヴァイオンリン、チェロとオーケストラのための」

美術:白戸規之 

衣裳製作:並河万里子

出演:宝満直也 船木こころ 米沢麻佑子 岡野友美子 玉田光子

石井武 江口香織 大槻沙絵 大野木純子 片山葉子 小室眞由子 近藤みどり 佐藤樹理愛 杉原萌 須﨑汐理 鷹栖歩莉 田中麻友美 冨田奈保子 名越晴奈 藤村港平 南帆乃佳 山西香澄

本作品は、公益財団法人日本交響楽振興財団主催「現代日本のオーケストラ音楽 第31回演奏会」の招待作品として演奏された録音音源を使用しています。

演奏 ヴァイオリン:加藤知子 チェロ:上村昇 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:小松一彦

Direction & Choreography by SHOJU Hiroshi

Staged by NAKAI Keiko

Staging Assistant:KONDO Akemi

Cooperattion:OZAWA Rikako ARA Tomono

Music: “Metamorphose concertante pour violon, violoncelle et orchestre”by YASURAOKA Akio

KATO Tomoko(vl.), KAMIMURA Noboru(vc.) and Tokyo Philharimonic Orchestra conducted by KOMATSU Kazuhiko

Set Designer:SHIRATO Noriyuki Costume Maker:NAMIKAWA Mariko

Dancers:HOMAN Naoya FUNAKI Kokoro YONEZAWA Mayuko OKANO Yumiko TAMADA Mitsuko

ISHII Takeru EGUCHI Kaori OTSUKI Sae ONOGI Junko KATAYAMA Yoko KOMURO Mayuko KONDO Midori SATO Juria SUGIHARA Moe SUSAKI Shiori TAKANOSU Ayuri TANAKA Mayumi TOMITA Naoko NAGOSHI Haruna FUJIMURA Kohei MINAMI Honoka YAMANISHI Kasumi

*作品舞台写真 別添 3-1,2,3,4 いずれも 撮影:池上直哉

スタッフ STAFF

照明:斎藤 香  Lighting Designer:SAITO Kaori

照明助手:榊枝拓也  Assistant to Lighting designer:SAKAKIEDA Takuya

音響:山本 直 Sound:YAMAMOTO Nao

オープニング映像naoeikka Projection:naoeikka

舞台監督:柴崎 大 Stage Manager:Shibasaki Dai

舞台監督助手:小林裕二 田村要 小黒亜衣子  Assistant Stage Managers: KOBAYASHI Yuji, TAMURA Kaname, OGURO Aiko

舞台・照明・音響操作 Stage, Lighting and Sound Crew

新国立劇場技術部   New National Theatre Technical Department

シアターコミュニケーションシステムズ Theater Communication Systems

アート・ステージライティング・グループ ART STAGELIGHTING GROUP

フリックプロ Flic Pro

臼井悠史(舞台)/安達久美子(照明)/信澤祐介(音響)/鈴木大介(映像)/小原淑克(大道具)

USUI Yuji(Stage)/ADACHI Kumiko(Lighting)/NOBUSAWA Yusuke(Sound)/SUZUKI Daisuke(Projection)/KOHARA Yoshikatsu(Master Carpenter)

芸術監督:大原永子  Artistic Director:OHARA Noriko

制作:新国立劇場  Produced by New National Theatre, Tokyo

制作協力:(一社)現代舞踊協会

Collaborated with CONTEMPORARY DANCE ASSOCIATION of JAPAN(CDAJ)

ダンス・アーカイヴ in JAPAN(DAiJ)企画運営委員会

正田千鶴 SHODA Chizu

片岡康子 KATAOKA Yasuko 加藤みや子 KATO Miyako

波場千恵子 HABA Chieko 池田恵巳 IKEDA Megumi

振付家プロフィール(生年月順)

日時
2018 年 11 月 24 日(土)開演14:00  11月25日(日)開演14:00
会場
新国立劇場中劇場

庄司 裕 SHOJI Hiroshi(1928-2008年)

庄司裕

 

 

 

 

 

 

 

江口隆哉・宮操子に師事。1966年、「巨人と玩具」が全国舞踊コンクール創作部門第一位・高松宮賞を受賞し注目を浴びる。翌67年、話題作「聖家族」、続く68年「祭礼」を発表。69年、芸術選奨文部大臣賞受賞。70年文化庁派遣在外研修員として欧米にて研修。帰国後72年に庄司裕モダンダンスカンパニーを設立し、「ミサ曲」(73年、芸術祭主催公演)、「日本海」(75年、芸術祭賞)を発表、77-95年、文化庁移動芸術祭現代舞踊公演で約40都市巡演、「聖家族」「恋人たち」「家族の晩餐」などを上演した。海外公演も多く、日ソ友好使節公演、日韓友好創作舞踊祭、文化庁日米交流でアメリカ公演。舞踊ペンクラブ賞、芸術祭優秀賞、江口隆哉賞受賞の他、紫綬褒章(92)、旭日小綬章(98)を受章。新国立劇場開場記念公演「パノラマ展Aプログラム」では「リゴドン~死の舞踏」(1997)を発表した。

 

 

 

藤井 公 FUJII Koh(1928-2008年)

藤井公

 

 

 

 

 

 

 

小森 敏に師事。1961年に妻の利子とともに東京創作舞踊団を結成し「天国の異邦人」を発表、2008年まで毎年新作発表を続けた。創作活動と共に後進の指導にあたり、海外公演では、文化庁日米舞台交流公演、韓国、タイ、オーストラリア、中国公演を行った。69年芸術祭優秀賞をはじめ、84年江口隆哉賞、87ニムラ舞踊賞、95年紫綬褒章、東京新聞・舞踊芸術賞、2001年旭日小綬章など受賞多数。71年に文化庁派遣在外研修員として欧米を視察。主な作品に「芽むしり仔撃ち」、「癒えぬ川」、「鐘」、「天如」、「砂漠のミイラ」、「ヒマラヤの狐」、「砂漠のランボー」など。新国立劇場では開場記念公演「パノラマ展Bプログラム」にて「風市」(1998)を振り付けている。67年埼玉県舞踊協会設立。多面的企画で芸術・育成の事業の推進に尽力した。

 

 

 

 

若松美黄 WAKAMATSU Miki(1934-2012年)

若松美黄

 

 

 

 

 

 

 

沙原聖子、津田信敏、マダム・ノーラに師事。1967年若松美黄・津田郁子自由ダンスカンパニーを設立し、「回復路線」を皮切りに42年連続公演。個性的な客演も多く、舞踏では「続・禁色」(土方巽)、ポストモダンでは「花は赤い」(厚木凡人)などがある。73年文化庁派遣在外研修員(米・仏にて研修)。芸術祭優秀賞受賞作には「ふり」、「村へ帰る」(「獄舎の演芸」が含まれている)、「暗黒から光へ」他がある。また「舞へまへ蝸牛」では江口隆哉賞、舞踊芸術賞を受賞。99年紫綬褒章、10年旭日小綬章受章。パリ、ソウル、ニューヨーク、北京他で海外公演、国際コンクール審査員も務める。新国立劇場では99年「凡人対美黄」公演で「礼儀正しい隠蔽」を振付・出演。筑波大学教授、日本女子体育大学教授、現代舞踊協会理事長、舞踊学会会長、WDA環アジア会長等を歴任した。

日本の洋舞100年・第3弾 ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2018

ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2018
戦後日本の 3人の異才たち ―庄司裕・藤井公・若松美黄―

日時
2018 年 11 月 24 日(土)開演14:00  11月25日(日)開演14:00
会場
新国立劇場中劇場

日本独自の創作舞踊のパイオニアたちの作品を復元上演し、日本の洋舞の原点を確認すると共に「今」そして「未来」を展望するダンス・アーカイヴ in JAPANの第三弾。第一弾(2014年6月)第二弾(2015年3月)とも高評価だったことを受け、この度は新国立劇場側からのオファーを受けて実現しました。

戦後高度経済成長期の日本において、モダンダンスのスタイルを創りあげて行った振付家の中から、庄司裕・藤井 公・若松美黄の作品を上演しました。

庄司 裕、藤井 公はダンス・アーカイヴ in JAPAN第一弾の公演で代表作を紹介した江口隆哉(1900-1977)、小森 敏(1887-1951)にそれぞれ師事し、数々の名作を発表。アバンギャルドな作風を持つ舞踊家・津田信敏(1910-1984)に師事した若松美黄は、自由な表現だけでなくクラシック・バレエのテクニックをも十分に生かし、多様な作品を生み出しました。3名の振付家はいずれも独自のダンス・スタイルを確立し、新国立劇場でも開場記念の97/98および98/99シーズンに作品を発表しています。

名実ともに第3弾として、3者3様の魅力に溢れた充実のプログラムとなりました。

1.ダンス・アーカイヴin JAPAN(DAiJ)企画運営委員会 代表 正田千鶴あいさつ
2.上演プログラム(2018/2019シーズン新国立劇場ダンス公演)
3.振付家プロフィール
4.舞踊評論
関口紘一(web magazine Dance Cube 2018年12月)
渡辺真弓(ダンスマガジン 2019年3月号)
原田広美(artissue-WEB12)